フォルクスワーゲンの新型アッパーミドルセダン『パサート』(4月11日発売予定)には直列4気筒直噴2.0リットル、同ターボ、3.2リットル3種類のエンジンが用意される。すべて新世代の筒内噴射(直噴)ユニットで、シリンダーヘッドには可変バルブタイミング機構が装備されている。
ベーシックエンジンは同社の最量販モデル『ゴルフ』と共通の「BVY」型2リットル直4DOHC自然吸気。最高出力150ps@6000rpm、最大トルク20.4kgm@3500rpmを発生する。設計年次が古く、旧態化が進んでいた旧型の2.0リットルSOHC(116ps@5400rpm・17.5kgm@3500rpm)に比べ、大幅な性能アップを果たしている。
車重はセダンが1430kg(旧型比+20kg)、ヴァリアント(ワゴン)が1510kg(同+50kg)と若干増加しているが、性能向上分はそれを補って余りある。EU仕様の動力性能は6ATで最高速度208km/h、0-100km/h加速10.2秒。日本仕様もこれに準じた性能で、動力性能はこの2.0リットル版でも充分だ。10・15モード燃費はセダン、ヴァリアントとも11.0km/リットルと、旧型に比べ0.8km/リットル向上している。
2.0リットル直4DOHCターボは、旧型のV型5気筒2.3リットルに置き換わるもの。最高出力200ps@5100-6000rpm、最大トルク28.6kgm@1800-5000rpmというスペックを見てもわかるように、綿密な過給圧制御によって幅広い領域で強力なトルクを発生するチューニングがなされている。
旧型に比べて排気量はダウンしたが、パワーで+30ps、トルクで+6.2kgmの増強を果たしている。EU仕様の動力性能は最高速度230km/h、0-100km/h加速7.8秒と、余裕の性能を持つ。
トップモデルはセダンの「V6・4モーション」に搭載される3.2リットルV6・DOHC。フォルクスワーゲン得意の狭角V6で、4気筒に近いコンパクトさが売りだ。狭角V6が最初に採用されたのは同社のスポーツカー『コラード』(絶版)だったが、熱対策技術が向上し、V6のバンク角は15度から10.6度へと、さらにコンパクト化されている。
スペックは最高出力250ps@6250rpm、最大トルク33.1kgm@2750rpmと、旧型の2.8リットルV6(193ps)を大幅にしのぎ、4リットルW8(275ps)に近い。動力性能は最高速度246km/h、0-100km/h加速は6.9秒と、プレミアムブランドのモデルと互角の数値だ。