トヨタ自動車と富士重工業(スバル)は13日夜、東京都内のホテルで資本提携に基づく業務提携の具体策を発表したが、その席上、富士重工の竹中社長は「北米の生産拠点、SIAにトヨタ車の生産設備が導入されることは、身震いするほどうれしい」と笑顔で語った。
インディアナ州にあるSIAはもともといすゞ自動車との合弁会社としてスタートしたが、03年合弁を解消した。以来、生産の拡大や生産性の向上を図ってきたものの、「スバルという自動車メーカーの規模にとっては、決して楽なものではなかった。その先行きに大きな課題を残していた」と竹中社長。
文字通りSIAは富士重工の経営の足を引っ張ってきた。そこにトヨタの『カムリ』を年10万台生産できるようになったわけで、竹中社長から笑顔が出てくるのも当然だろう。
「トヨタ生産方式を目のあたりにでき、スバルはこのチャンスにいかに強くなるかを課題に掲げようと思う」と竹中社長は強調した。これまでのチャンスは富士重工の独自技術への強いこだわりでつぶしてしまったが、今回ばかりは違うのかもしれない。