同乗者の証言で泥酔と判断、危険運転罪での起訴

自動車 社会 社会

検察庁・大阪地検は2月25日、今年1月30日に大阪府大阪市内で飲酒運転起因の当て逃げ事故を起こし、7人に重軽傷を負わせとして業務上過失傷害などの容疑で逮捕されていた36歳の男について、より厳しい危険運転致傷で起訴していたことを明らかにした。

大阪地検によると、問題の事故は1月30日の午後10時25分ごろに発生している。大阪市淀川区内で乗用車が対向車線側に逸脱し、4台に次々と衝突する事故が起きた。この事故で4台に乗り合わせていた7人が重軽傷を負ったが、逸脱側のクルマを運転していた男は徒歩で逃走したため、警察では重傷ひき逃げ事件として捜査していた。

事件翌日に36歳の男が警察に出頭。事故当時は酒気帯び状態だったことを認めたが、すでに飲酒量の特定ができない状態だったために、警察は業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で男を逮捕・送検していた。

しかし、検察側が事故当時にクルマに乗り合わせていた同乗者から事情を聞いたところ、この男は事故の4時間以上から大量の酒を飲み続け、泥酔状態だったことが判明した。検察では男が飲酒量の特定を防ぐために逃げた可能性も考えられるとして、危険運転致傷罪での起訴を決めている。

危険運転罪の導入や飲酒運転の厳罰化以後、飲酒量の特定を防ぐ目的でひき逃げに至るケースが増えているが、今回は本人以外の証言で泥酔と判断し、それを起訴の理由としている。公判でこの点が争点になることも間違いなく、注目される。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集