マイナーチェンジを行なった日産『フェアレディZ』はサスペンションも改良を受けている。ダンパーには『フーガ』にも使われている、デュアルフローティングパスショックアブソーバーが新たに採用された。
フェアレディZの開発責任者を務める、日産自動車 商品企画本部 湯川伸次郎さんは「デュアルフローティングパスショックアブソーバーは、通常走行時には路面からの軽い入力を極力抑え、コーナリング中にはクルマのロールを的確に制御してくれるダンパーです。このダンパーを採用することで、乗り心地も改善されておりますので、全車に18インチタイヤを採用することにしました」とコメント。
実際に新しくなったフェアレディZは、街なかでの荒れた路面でも突き上げ感はだいぶ緩和されており、デビュー当初にあったゴツゴツとした乗り心地は解消されている。
ワインディングを走った際にも、ロールスピードがしなやかになり、多少柔らかくなった感じがする。そのため、強いブレーキングで荷重をコントロールしたり、アクセルを開けてクルマの向きを変える必要がなくなり、余裕を持ってラクにスポーツドライビングを楽しめるようになった。
パワーステアリングも車速感応式になり、高速域では今までと同じ手ごたえがあるが、低速域では、ハンドルが軽くなっている。ただし、停止中の据え切りは、あまり軽くなっていないのが残念だ。
ホイールが全車18インチになったことで、ブレーキディスクも全車17インチに拡大され、ストッピングパワーも向上している。
マイナーチェンジでエンジンパワーを上げるだけではなく、足まわりもキッチリと性能を向上させているところは、フェアレディZらしい進化の形だ。(つづく)