結城康和(スズキ商品第二カーライン、チーフデザイナー):その土台、スズキのクルマとして共通した普遍的な良さの追求、というのをしっかり押さえた上に、Originality、Creativityというのもがある。
これは、さきほど話しました、「クルマそれぞれの個性を明快に際立たせていく」という部分です。トレンドを見て、ユーザーを明確にして、ユーザー本位で、それぞれのクルマで、それぞれ違うニーズやウォンツに応える。さらにはスズキらしい独創性な切り口で、商品別に明快な個性の違いを与えていければ、と思っています。
スズキのデザイナーは、スズキ特有の横展開の商品構成で鍛えられていますから、かわいいデザインも、速そうなのも、カチッと機能的なのも、想定ユーザーの役になりきり、ちゃんと描き分け、作り分ける力がすごいですよ。
−−今回の4台のコンセプトカーの個性の違いは、その現れですね。
結城:ええ。また特定のブランドグラフィックスに左右されないので、時流に合わせて変化し対応していく柔軟性があります。こういう考え方がうまく作用すればとても強いでしょう。
−−では、スズキはどういうブランドだと思われたいのでしょうか。
結城:いままでお話ししたことを踏まえて、これは私の個人的な思いですが、「小さいクルマを買おうと思ったらスズキのお店に行こう。行けばいろんな個性のクルマの中に、必ず求める1台がある。でもどのクルマにも共通する立体感や質感、安全感があり、どれを買っても安心できる」。そんな“小さいクルマの専門店”が理想の姿です。
そんな気持ちを、今後の軽自動車のデザインで表現したいと思っていますので、ご期待ください。
【1/4】スズキの軽はこれから…どうなる?
【2/4】スズキの軽はこれから…キャラが立つ
【3/4】スズキの軽はこれから…土台が味になる
【4/4】スズキの軽はこれから…描き分け 作り分け