サンフランシスコで開催された第12回ITS世界会議の目玉企画と言えるのが、Innovative Mobility Showcase(IMS)である。ここではITSの様々な技術やサービスを試乗体験できる。
IMS会場の中でも、ひときわ派手な演出の試乗を行っていたメーカーのひとつがBMWだ。同社は危険情報を車車間通信で共有する「XFCD (Extended Floating Car Data System)」のデモンストレーションを実施。ドライバーの隣に同乗して、システムの体験ができる。
XFCDでは周囲を走るクルマとWiFiを使った車車間通信で情報共有をし、先行車が危険を察知すると、後続車両にその情報が伝達される。IMS会場では先行車を意図的にスリップさせて、後続車が警報を受信する様子が実演された。
「XFCDはあくまで危険情報を取得するためのシステムで、今のところ(スタビリティコントロールシステムの)DSCなどと連携していません」(説明員)
XFCDの仕様はBMW独自のものではなく、今後、政府や他の自動車メーカーと共同で策定していくスタンスだ。現在もGMやフォード、トヨタ、日産、ダイムラークライスラーなどと共同で実験をしているという。市場投入の見込みは、「実用化には10年くらいはかかるのではないか」(説明員)と、長期的な姿勢で臨んでいる。