いすゞ自動車の井田義則社長は17日、06年3月期中間決算発表の席上、「今期はターニングポイントになる期」と強調し、こう付け加えた。
「前期までは再建に費やしてきたが、今期からは将来の事業展開に向けて積極的に動き出すというように大きく舵取りを変えた」
特に海外展開については、スペイン、ベルギー、マレーシアに続き、メキシコでも販売会社を設立し、またオーストラリアではゼネラルモーターズ(GM)との合弁会社をいすゞの100%子会社に変えた。
さらに、中国では産業エンジンの販売会社を本格稼働させ、慶鈴汽車への出資比率を約20%まで引き上げた。そして、ウクライナでは小型トラックの生産も開始する。
このように、いすゞはいままでにないペースで海外展開を図っており、井田社長は「これからも投資を含め、人の派遣も積極的に進めていく」と語る。
GMが不振を極めているだけに、いすゞとしても自らが主体となって海外展開を進めていかなければならなくなったわけだが、それはある意味で「鬼の居ぬ間に洗濯」という状況かもしれない。