スノー路面では2台のVW『ゴルフ』と2台のBMW『318i』にそれぞれ『DRICE』と『X-ICE』を履かせて乗り比べをした。FFのゴルフではX-ICEのほうがハンドルの効きがよいように感じた。切っていったときの反応に遅れがなく、素直なタイヤだ。コーナリング中にさらに切り足したときの反応もDRICEより追従性がよかった。アクセルオフにしてハンドルを切り込むような走りでも、リヤの滑りはゆっくりしていてコントロールしやすい。
BMWではグリップのよさが強調されていた。どちらかというとリヤのグリップが強くなった感じで、フラツキがなく安定感が高い。前後のグリップバランスがよく、スポーティな走りを楽しめたのはDRICEだが、一般道では安定感が高いX-ICEが走りやすいだろう。
アイス路面はテストエンジニアも心配するような、大量の水が浮いたアイスバーンだった。つまり一番厳しい条件でのテストになったわけだ。走り出せないくらいかと思ったら、発進から丁寧な運転をすればスラロームもできるくらいだった。これなら極寒の北海道でありがちなミラーバーンやブラックアイスと呼ばれるところでも発進できるだろう。
X-ICEの特徴のひとつはドライ路面性能にある。ゴムの剛性が高くしっかりしているので、スタッドレスタイヤということを忘れそうなハンドリング性能だ。テストフィールド周辺のワインディングロードも走ったが、速いペースでも安心して走れる。
このゴムの強さのメリットは走りだけではない。都会派のドライバーの多くが経験している偏摩耗の心配がなくなるのだ。例えばブレーキングなどでゴムが寝てしまうことがないので、ノコギリ状の摩耗が起きにくいのだ。
これなら次の年も前年と同じような性能が期待できそうだ。ここまで進んだゴムを開発したのはミシュランだけといえそうだ。