フォード・モーター・カンパニーは、燃料電池車を5都市に計30台供給するプログラムの一環として、実用化検証用にフォード『フォーカス』燃料電池車、「フォーカスFCV」5台をサクラメント市施設局(SMUD)に納入すると発表した。
フォーカスFCVは、代替燃料技術の先進的な利用と開発を進めるフォードが開発したもので、走行距離と性能が格段に向上したハイブリッド技術とさまざまな利点を持つ燃料電池を融合させたハイブリッド燃料電池車。
フォードでハイブリッドプログラム担当のメアリー・アン・ライトディレクターは「今回サクラメント市にフォーカスFCVを納入することで得られる知識も、革新的な燃料電池駆動技術に関する専門知識をさらに強化するだけでなく、今後のガソリン・ハイブリッド車の改良にもおおいに役立つ」としている。
このクルマは、外観も走りも、街中を走る現行フォーカス・セダンと何ら変わりはないが、ボンネットの中には高性能ハイブリッド・エレクトリック・パワートレインを搭載している。フロアパンの下には、水素燃料電池と補助エネルギー・システムを収納、パワートレインに電気エネルギーを供給している。さらに、トランクルームには、再生可能な水素燃料を貯蔵するタンクが備えている。
今年、フォードはフォーカスFCVを、米国、カナダ、ドイツの各政府が推進する燃料電池車実証プログラムに提供する予定。これにはカナダのバンクーバーに既に納入した5台と、今回サクラメント市に納入する5台が含まれる。さらに、フロリダ州とミシガン州で5台ずつ投入していく予定で、いずれも水素燃料をベースとする技術開発の促進が目的。