【ホンダ中国】新展開迎えた広州の2社…現地ルポ

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●輸出並立型産業へ

広州ホンダから東にクルマで約15分の位置に、今年4月に量産を開始したばかりのホンダ汽車(中国)が立地している。中国では前例のない輸出専門の乗用車工場として広州汽車集団、東風汽車集団との合弁で設立された。6月に初出荷された『ジャズ』(日本名『フィット』)が、7月末に最初の輸出国であるドイツに上陸したばかり。

同社は、中国の自動車メーカーとして新境地を拓いた企業だ。外資は50%が上限と規定されている自動車合弁にあって、ホンダは65%(中国の投資子会社分含む)の出資を確保している。今のところ、外資がマジョリティをもつ唯一の車両組立工場である。大半の税金が免除される「広州輸出加工区」への立地でも、他産業を含め先陣を切った。

78万5000平方メートルの敷地に建設された第1期の工場は年5万台の能力で、投資額は約145億円。生産量が少ないため、兄貴分である広州ホンダとの連携メリットを最大限引き出す仕組みも構築している。たとえば大型のプレスラインは投資せず、車体の大物部品は広州ホンダから調達している。

あえて、コンパクトカーの激戦地である欧州を輸出先に選んだのは「品質への要求レベルが世界で最も厳しい地域」(金山裕則総経理)だからだ。ここで成功すれば「メイド・イン・チャイナ」のクルマが世界で認められることにもなる。

欧州の車両基準を満たすため日本からの部品調達が多く、立ち上げ時の現調率は60%。このため生産コストは「日本製と、どっこいどっこい」(金山総経理)であり、90%に達している広州ホンダのフィットに比べるとコストは改善の余地がある。

10月にはイタリアへの出荷も始める予定で、年内は1万台の生産計画。現状の建屋で年12万台への能力増も可能という。金山総経理は「敷地規模からすると年20万台は行ける」としており、ほぼ内需一辺倒となっている中国の自動車工業を輸出並立型産業へと育成する新たなチャレンジに挑んでいる。

●中国のデトロイト、日本のビッグスリー
●中核工場、デッドヒートを制すか
●輸出並立型産業へ
●ホンダの中国4輪車工場概要

《池原照雄》

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