今後の捜査は、公団による組織的な天下りのあっせんと談合の関係が焦点となる。そんな中、今回の橋梁談合事件が官製談合であることを裏付けるかっこうで、東京地検特捜部は道路公団の現役副総裁である内田道雄容疑者を、独占禁止法違反幇助と背任の疑いで逮捕した(25日)。
内田容疑者は、公団生え抜きのトップ。これまでの調べで内田容疑者は技師長だった2004年5月に公団の元理事の神田容疑者からの依頼を受けて、公団静岡建設局が一括発注することを決めていた第2東名高速道路富士高架橋工事を分割発注するように指示した。これによって公団に諸経費など、約5000万円余分な経費が発生した。
かつて内田容疑者は、公団OB組織かづら会や談合組織の存在を「知らない」と発言、道路関係4公団民営化推進委員会の猪瀬直樹氏が「知らないはずは無い。あなたはウソを言っている」と述べると「根拠も無くウソだと言われ、名誉を傷つけられた」と述べ、同委員会への出席を拒否した。さらに、7月7日に参院国土交通委員会で参考人として出席した際も「かづら会は新聞報道を見るまで知らなかった」と証言した。
しかし、その後の調べで、逮捕された橋梁メーカー幹部が「内田副総裁にOBの天下りを依頼した」と供述していることが明らかになると、内田副総裁は「ノーコメント」としていた。