ガソリンスタンドでの給油代金を踏み倒した上、徳島自動車道の進入路を逆走して他車との衝突事故を起こして男性に重傷を負わせたとして詐欺や危険運転致傷の罪に問われた27歳の男に対する判決公判が21日、徳島地裁で行われた。裁判所は被告の男に懲役6年6カ月、罰金30万円の実刑を言い渡している。
問題の事件は2004年12月21日に発生している。同日の午前8時40分ごろ、徳島県北島町内のガソリンスタンドで、27歳の男が給油代金を踏み倒し、そのまま逃走した。スタンドの店員が110番通報を行ったが、男は約15分後の午前8時55分ごろには徳島自動車道の下り線に進入。徳島県警・高速隊のパトカーが男のクルマを発見し、ただちに追跡を開始した。
だが、男はこれに対して猛烈に抵抗。本線上で何度かUターンを行い、順走と逆走を繰り返してパトカーから逃れようとしたが、午前9時20分ごろには土成町吉田付近の土成ICで、下り線の進入路を逆走。55歳の男性が運転するワゴン車と正面衝突する事故を起こした。衝突によって2台は大破。
衝突された側のクルマを運転していた男性が左足骨折の重傷を負い、男は業務上過失傷害の現行犯で逮捕されたが、後に意図的に無謀な運転を行ったとして起訴時点で危険運転致傷に変更されている。
21日に行われた判決公判で、徳島地裁の杉村鎮右裁判官は「給油代金を支払わずに逃走したうえ、意図的な暴走による事故を起こした」として、詐欺と危険運転致傷の併合罪を適用。被告の男に対して懲役6年6カ月、罰金30万円の実刑判決を言い渡した。