【エコカーワールド05】踊るビバンダム

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車高が上がったり下がったり、右へ左へ傾いたり……、エコカーワールド(11−12日、横浜)会場でハイドロを仕込んだアメリカ車のようなデモンストレーションを行なっていたのは、タイヤメーカーのミシュラン。

アルミのフレームも剥き出しで、いかにも「実験車」といった風貌のこのクルマには正式な名前はなく、便宜上『ミシュラン・コンセプト』と呼ばれている。踊っているように見えたのは、地上高とホイールベースを制御するシステムの実演だった。では、その提案の意味は?

まず車高調整のメリットは、車高を下げるとホイールベースが長くなり、高速走行時の安定性が向上。車高を上げると悪路走破性が向上する。

実は4つのタイヤはキャビン前後端あたりにピボットを持つスイングアームで支持されており、このアーム自体の角度を変化させることで可変ホイールベースを実現しているわけだ。サスペンション本体は、モーターとともにホイール内にレイアウトされており、車体の姿勢に関係なくストローク量が確保されている。

左右あるいは前後に傾くのは、車体のロールとピッチをアクティブ制御することでキャビンの水平を保ち、操縦性と快適性を保つことができること、そしてタイヤのグリップ量変化を小さくすることで安全性も高められることをアピールするため。

「昔のF1に見られたアクティブサスみたいなもの?」と訊くと「目的はだいたい同じ。メカニズムは全然違うけれど」と会場にいたエンジニア氏(日本語が話せないのに、仕事になったのだろうか?)。

車体に対するタイヤの位置が大きく変化するのでドライブシャフトを通すことができないことから、動力はインホイールモーター式。つまりEVか燃料電池車、あるいは内燃機関で発電してモーターを駆動することで実現可能となるメカニズムだ。

タイヤメーカーがなぜこのような提案を、との問いには「私たちはみずからを“モビリティ・サプライヤー”と位置づけています。ですから持続可能なモビリティを提案することが、ミシュランの将来にも繋がるのです」と説明するのは日本ミシュランタイヤ、マーケティング部の木下さん。

今回のコンセプトカーは自動車メーカーあるいはサプライヤーに向けてアピールするために製作されたようだが、まるで踊るようなデモンストレーションには会場を訪れた子供たちも大はしゃぎ。意外と一般へのPR効果も高いのかもしれない。

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