サンヤン(サンヨン)『チェアマン』といえば、メルセデスベンツ『Sクラス』によく似た風貌が特徴のクルマだった。エンジンもメルセデスから供給も受けており、さらには「600S」なんていうベンツそっくりのグレード名が付けられていた。
「エンジンを供給するという契約は締結したが、同じようなクルマを作れとは言っていない」などと、チェアマンがデビューした後にメルセデスベンツ側が激怒したという噂話は有名で、今も半ば真実のように語られている。
そして「似たデザインのクルマを作るなら、エンジンの供給は打ち切る」と宣言した後日談までが噂として出回っているほど。
その噂の真偽は不明だが、チェアマンは最近フェイスリフトを行い、ヘッドライトのデザインを変えてきた。ただし、押し出し感の強いグリルは今もベンツ風。400S、500S、600Sといったグレード名もそのまま。
ただし、グレード名は排気量と連動しておらず、最上級モデルの600Sが搭載しているのは3.2リットルエンジン。図体の大きな車体の割にはパワーが足りないという指摘は今もなされているようだ。
価格は400Sが3203万−3762万ウォン(約339-398万円)、600Sが5153万−5929万ウォン(約545万−617万円)、600リムジンが6773万ウォン(約717万円)。韓国内でベンツを買うよりは安いが、韓国車の中では常に最高額あたりを位置するクルマといえる。
ベンツ顔からの脱却を図ったチェアマンだが、リムジンのコンセプトモデルとして展示されていたクルマのライトはトヨタ『セルシオ』風のデザイン。
プレスデーの日には会場にデザイナーもいたのだが、その件にはあまり突っ込まれたくなかったようで答えてくれなかった。