【ミシュラン チャレンジ・ビバンダム リポート】その5 多様な動力源でわかる近未来カーの混沌さ…河村康彦

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それにしても、こうして目移りするほどの車種をとっかえひっかえ乗り替えていると、自動車の開発者が悩みに悩みながらさまざまな動力源にトライをしていることを改めて実感させられる。

一時は「これぞ未来の動力源」と世界で期待の大きかった燃料電池車も、上海サーキットをグルグルと回っているうちに「“発電所”を抱えながら走ることが本当に理にかなったやり方なのか?」とそんな風にも思えてきてしまう。

そのネーミングからうっかり忘れそうになるが、燃料電池車だってあくまでも「電気自動車のひとつの種類」に過ぎないもの。であれば、今後もしも駆動用バッテリーの性能が革命的に向上するような事態が発生したとすると、わざわざ高いコストと複雑な技術を用いて水素を燃料として発電を行なうシステムなど搭載するまでもないように感じられてくる。エネルギー密度や航続距離の点で満足の行くバッテリーが開発されれば、単純にそれをエネルギー源としたシンプルな電気自動車でコトは済んでしまうのではないだろうか。

内燃機関も、ガソリンエンジンとモーターのハイブリッドにするのがよいのか、それともディーゼルエンジンでじゅうぶんなエコノミー性が達成できるのか、はたまた水素時代の到来を見据えてそれを燃料とするエンジンを開発するのが得策なのか……と、各社各様の思惑が見え隠れする。いずれにしてもこうした混沌とした状況が発生しているのは、それだけ誰もが「コレ!」という“決定打”を見付けられずいるという証明でもあるだろう。

技術というのは、その黎明期にはさまざまな方式が乱立する。が、やがてそうしたなかで決定的に優れたものが見つかったとすれば、世の中のシステムは自然とその方式に収束をして行くはずだ。

今のところ、自動車用の“次世代エコ動力源”はまだその段階にまで至っていない。ところが、こうして日がな一日を色々な“未来カー”に乗っているうちに、フとあるひとつの重大な真実に気が付くことになってしまった。それは「仮にエンジンはなくなったとしても、タイヤは決してなくならない」という、考えてみればごくごく当たり前のことなのだ…。(つづく)

《河村康彦》

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