警視庁は17日、税務署が公示する高額納税者のリストを悪用し、綿密な台本を用意した上で振り込め詐欺を行っていたとして、28歳の男ら3人を詐欺容疑で逮捕した。逮捕された3人は容疑を全面的に否認している。
警視庁・捜査2課によると、逮捕されたのは東京都品川区内に在住する28歳の男ら3人。
この3人は名簿業者から税務署が公示している高額納税者のリストを購入し、これに基づいて親族が交通事故を起こしたと偽装し、現金の振込みを求める電話を掛けていたとみられる。
3人は電話を掛ける際、事前に用意した台本に従ってストーリーを進行させていた。この台本は効果音を鳴らすタイミングなども厳密に指定されており、あたかも事故の現場から直接電話を掛けているような雰囲気を演出していた。
被害者の中にも「事故現場から電話をしていると思った」などと証言する者がいるため、警察では「パトカーのサイレンなどの効果音が、臨場感を高めるための効果を発揮していたと分析している。
被害総額は約2500万円と推定されているが、逮捕された3人は容疑を全面的に否認。警察では押収した資料を分析するとともに、3人を厳しく追及する方針だ。
また、リーダー格とされる28歳の男は、指定暴力団山口組系の組織が運営するヤミ金融の会社に出入りしていたことがすでに確認されており、警察では騙し取ったカネの一部が暴力団に流れていた可能性についても調べを進める方針だ。