11月29日、静岡県小山町内の東名高速で、大型トラックから脱落したタイヤ2本が下り坂を約500mに渡って滑走し、バス停に停車していたJR東海バスが運行する路線高速バスの屋根部分に直撃する事故が起きた。
バスには乗客と乗員合わせて18人が乗車していたが、負傷者は出なかった。
静岡県警・高速隊によると、事故が起きたのは11月29日の午前9時20分ごろ。小山町桑木付近の東名高速上り線を走行していた33歳の男性が運転する大型トラックから、左後輪2本(ダブルタイヤ)が突然脱落した。
タイヤが脱落した際、トラックは約80km/hの速度で走行しており、運転していた男性は車体後部からの異常な振動に気づいてすぐに停車したが、それを追い越すようなかたちで脱落したタイヤ2本が前方に駆け抜けていったという。
2本のタイヤは下り坂を転げ落ちるようにして単独で滑走。約500m転がり続け、足柄バス停付近の縁石に当たって跳ね上がり、そのままバス停で停車していたJR東海バスの静岡発東京行き路線高速バスの屋根部分に落下した。
タイヤはさらにバス停の待合室の壁や、バスの左側面にも当たり、そこで勢いを失って路上に倒れた。
当時このバスには乗客17人と、乗員1人の合わせて18人が乗車。足柄バス停から乗り込んだ客も2人いて、タイヤの直撃はこの2人がバス車内に入ってから起きている。
落下したタイヤは1本あたりが70kg(2本で140kg)あったが、これがバウンドする形でハイデッカータイプのバス(高さ2.8m)の屋根部分に上方から落ちている。幸いにも負傷者は出なかったが、足柄バス停から乗り込んだ2人の客の乗車タイミングがあと1分ほど遅れていた場合、この2人にタイヤが当たっていた可能性もあった。
タイヤが脱落したトラックはいすゞ製で、ボルトはすべて破断した状態になっており、またそのすべてがホイールに残されていた。
警察では事故の原因を調べるとともに、運転手やトラックを所有する埼玉県本庄市内の運送会社から、整備状況などについて事情を聞く方針だ。