ヨーロッパのモーターショーで楽しいのは、地元の開発会社がブースを出展すること。エチュード・インテグラル社もそんな企業の一つで、毎回コンセプトモデルを公開している。今回公開されたのは『スクート』。
開発コンセプトはスクーターと小型車の「いいとこ取り」を狙ったというコミューターで、2座席あるいは1+2のレイアウトを持つ。
運転席は車体中心にあり、2座席バージョンならば小型車以上に乗員の安全性を確保できるのがメリット。エンジンはヤマハ『T-MAX』の2気筒499ccを後席真下にレイアウトするという想定。
車体は大柄に見えるが「スマートよりは小さくて、ミニカーとして認可されるサイズ」とのことで、全長2500mm×全幅1400mm。16歳以上の通学あるいはレジャー用としてデザインしたものだとか。
また小型配送車やタクシーとしての使い方もでき、駅や空港でシャトルとして用いる時には衝突安全性がさほど重視されないので1+2レイアウトがメリットを持つと説明している。
スクートのスタイリングに現実味がないのは、エチュード・インテグラル社のデザイン力と技術開発力をアピールするために、あえて既存概念から飛躍したためだろう。同社は自動車に限らないさまざまなメーカーへの技術協力が主な業務になっている。