初代マジェスタは“和”の上質乗用車の可能性を感じさせたのだが、代替わりのたびに俗っぽいクルマへと低落。
今回はとくに誠意・熟慮不足。空間構築、内装造形と機能系レイアウト、シートの造りなどすべてがおざなり、雑。
走りは、十何年か前の悪しきトヨタ車、亡霊の再来。振動騒音低減ばかりを追いかけ、クルマが走る/運転する実感はひたすら希薄。良路以外では細かい揺れや突き上げ、路面音が気になる。動力系の質感も不足。
渋滞モード追加の自動追尾装置は流れを邪魔する初心者レベル。“先進?”装備てんこ盛りだが、意味あるものはほとんどない。
■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★☆☆☆☆
パワーソース:★☆☆☆☆
フットワーク:★☆☆☆☆
オススメ度:★☆☆☆☆
両角岳彦| 自動車評論家
1951年長野県松本市生まれ。モノごころついた時からクルマが好き。大学・大学院と自動車工学を修め、自動車専門誌を経て独立。現在は徳大寺自動車文化研究所・主任研究員としてディーゼル排気浄化システムの開発に注力中。