28日に日本発表された新型アウディ『A6』には、初採用となる3.2リットルのFSIエンジン(2.0リットルFSIは『A3』に採用済み)が搭載されている。このFSI(シリンダー内直接噴射)システムはルマン24時間耐久レースでアウディを4回もの優勝に導いたマシン、アウディ「R8」からのフィードバックだという。
「直噴エンジンというと好燃費ばかり注目されてしまいますが、アウディのFSIはパワーを出すことと燃費の向上を両立したシステムです。我々は『モアパワー・オブ・ドロップ・フューエル』と言っていますが、つまりは少ない燃料からできるだけパワーを出そうという考えかたなんですよ」とはアウディジャパンのトレーニングコンサルタント梶田さんの言葉。
「ルマンで優勝したアウディR8は、FSIを採用したおかげでハイパワーかつ燃費がよかったのです。パワーを高めつつ燃費がいいのでピットストップを減らすことができ、ピットストップを減らせたことは優勝するうえでライバルに対して大きなアドバンテージとなったはずです。そこで培った技術が、市販車にも採用されているんですよ」(梶田さん)
「レースからのフィードバック」とはよく使われる言葉だが、「ルマン連続制覇マシンからのフィードバック」というというのは滅多にお目にかかれないテクノロジー。A6には、実はサーキットの血も流れているのだ。