ダイムラー・クライスラー日本は29日、メルセデスベンツで約12万台ものリコールを国土交通省に届け出た。ベンツ車の国内年間販売は5万台弱。2年分以上の台数をリコールする計算だ。
対象は01年9月−04年6月に輸入した『Eクラス』、『Sクラス』など14車種がブレーキコントロールユニットのプログラムミスで制動力が低下するおそれ。
また、97年4月−04年3月に輸入した『Aクラス』、『Eクラス』、Sクラス、『CLK』、『CL』などはブレーキの液圧脈動を抑える「サクションダンパー」の強度不足で亀裂が発生し、ブレーキ液が漏れて制動力が低下するおそれ。
両方合わせて688件ものクレームが発生しており、物損事故も1件あった。同社は今年3月、リコール措置が遅いとして国交省から警告を受けている。本国との連絡調整に手間がかかる事情はあるが、リコールに関心が高まるなか、今回も対応の遅れが目立った格好だ。