●欧州では降参、日本はこれから挽回
一方で、日本と欧州は白旗を揚げたに等しい。欧州の今年度の目標は、新車投入がゼロということもあって前年度を4000台下回る数字だ。
日本は03年度の実績が当初目標から大きくショートした。4月の役員人事では、日本市場を担当していた2人の常務執行役員が関係会社に転出、コミットメントに対する信賞必罰のゴーン流を見せつけた。
ゴーン社長は「日本市場はトヨタ、ホンダという強力なメーカーの本拠地であり、容易ではない」と、こと日本になると慎重だ。ただ、米国と中国頼みだけでは100万台増の達成も微妙なため、今年度は6車種の新モデル攻勢をかける。
米国市場に投入しているSUVの『ムラーノ』をはじめ、コンパクトハッチバック(2車種)、ラグジュアリーセダン、コンパクトセダン、コンパクトMPV---といった陣容だ。このうち、ハッチバックのひとつは4月に車名と試作モデルを発表した『ティーダ』であり、ラグジュアリーセダンは『セドリック/グロリア』の全面改良モデルとなる。
ゴーン社長は、仏ルノーと日産のCEOを兼務する05年度以降の中期計画「日産バリューアップ」の概要も提示している。07年度にはグローバル販売を420万台に拡大するという野心的なものだ。「N180」が未達に終わるようなことがあれば、次期計画への信認も揺らぐだけに、ここ1年半は、日産の再建に着手した当時に匹敵する正念場となる。
1/3●目標達成へのペースは遅いようだが……
2/3●新型車攻勢でアップ率を維持する
3/3●欧州では降参、日本はこれから挽回