「AVN一体型カーナビって、どういうカタチをしていたっけ?」と言われた場合、誰もが思い浮かべるであろうもの。それは2DINサイズの筐体と、それを覆うように鎮座する液晶モニターというスタイルだろう。
ところが2DINサイズの横幅というのは、当然ながら厳密に決められているため、このようなスタイルではこれまで6.5インチサイズが最大とされてきた。富士通テンでは、7インチ液晶を搭載するために、インダッシュモニターを採用。これまで堅持してきたAVNスタイルというのをあえて捨て、イメージも一新させてきた。
ところがクラリオンが今回発表したAVN一体型ナビ『MAX940HD』や『MAX740HD』では、不可能とされてきた7v型モニターをこれまで通りのモニタースロープ型スタイルで実装している。このブレイクスルーはどこにあったのか。
これについてクラリオンの商品戦略本部・IVCS企画部の早松雅利課長は「液晶パネルの実装方法を根本的に見直し、制御部を新たに設計しました」と説明する。
これまでのAVNの場合、液晶パネルの中心部を使い、制御部を取り囲むように配置していた。言うなれば「ロ」の字状に制御部を配置していたということになる。
しかし、今回発表されたMAX940HDでは、パネルの左上部分を液晶モニターに優先的に使い、下部と右側に従来よりも薄型の制御ユニットを「L」字状に配置している。外枠パネル部分にもバックライトやタッチパネル用の配線を通すなど、スペースの有効活用を図った結果、7インチモニターの搭載が可能となった。
「液晶モニターや、タッチパネルユニットなどは汎用品ですが、実装技術の工夫で可能となっています。“言うは易し”ですが、実際にはかなり苦労しています」と早松課長。