1日午後、愛知県名古屋市中村区内の県道を走行していた名古屋市交通局の路線バスの屋根部に、名古屋高速道路の工事現場で使用されていた重さ約56kgの鋼板が落下した。
鋼板は屋根下のフレームが緩衝材の代わりとなり、落下の衝撃が弱められたため、車内への貫通は免れた。
愛知県警・中村署によると、事故は1日の午後3時5分ごろに発生した。名古屋市中村区岩塚本通1丁目付近の県道交差点を走行していた名古屋市交通局が運行する服部発中村公園行き路線バスの屋根部に、真上を走る名古屋高速道路の工事現場から鋼板1枚が落下。これがバスを直撃した。
落ちた鋼板は縦82cm×横93cm、重さ56kgで、名古屋高速道路の耐震補強工事で使われているものだった。当時は作業員2人がボルト留めを行い、高架橋下部に固定する作業を進めていたが、手を滑らせてしまったらしい。
鋼板はバス中央の屋根部に当たり、ここに約83cmの亀裂が生じた。車内でも真下にある冷房用のダクトが車内に落ち、つり革を固定するパイプが曲がるなどしたが、屋根下にあるフレームが緩衝材の代わりとなり、貫通して車内に落ちることは無かった。
当時このバスには約30人の客が乗車していたが、幸いにも負傷者はなく、全員が後続のバスへ乗り換えた。また、バスに当たった鋼板は跳ね返る形で路上に落ちたが、これが別のクルマに当たることもなかった。
警察では鋼板の取り付け作業を行っていた業者や、工事担当者から落下当時の事情を聴取。安全確認の再徹底などを要請している。