善意? それとも……京都府警のパトカー送迎に賛否

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京都府警は12日、九条署が受験会場を間違えて遅刻しそうになった女子学生を、同署・地域課のパトカーを使って送り届けた問題で、全国から賛否両論の意見が寄せられていることを明らかにした。

1日あたり平均200件で、11日時点で750件の意見が寄せられたというが、賛否は半々だとしている。

このトラブルは7日に発生している。同日の午前10時ごろ、タクシーの運転手が「受験に遅刻しそうな女子生徒を助けてやってほしい」と、京都市南区内にある九条署・山王交番を訪れた。

女子生徒は大学受験の会場を間違えてしまい、パニック状態になっていた。タクシー運転手が助けを求めた交番から試験会場までは約1時間を要することから、警察では「人生の一大事に関わる緊急事態」と判断。署長の指示でこの女子生徒を正規の試験会場まで送り届けた。

パトカーは赤色灯とサイレンを使用した緊急走行扱いで走り抜け、受験資格失効5分前に会場にたどりついた。

警察としては「タクシーの運転手に交通違反のリスクを負わせず、著しい速度を出したクルマが走ることで周辺交通の安全が阻害される恐れもある」と判断してパトカー出動を決めているのだが、これが「警察による善意」というスタンスで報道されて以後、全国各地から賛否評論の意見が届くようになったという。

「警察という組織を見直した」、「これが自分だとしたらいくら感謝しても足りないと思う」という意見がおよそ7割を占めたが、「血税を無駄遣いするな」、「遅刻して受験資格を無くすことも自業自得」、「重大事件が起きてパトカーが足りなくなったら被害者にどう説明するのか」といった反対意見も寄せられた。

ただし、これらの意見が京都府民から寄せられたものなのか、京都府以外の地域から寄せられたものなのかは、判断する術が無いとしている。

九条署は1997年1月、泥酔した男性を適切に看護せず、駐車場に放置して凍死させるという事件を起こした過去もあり、今回の一件は「単なるポイント稼ぎだ」という指摘もある。

《石田真一》

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