『ESC』という統一名称ができた横滑り防止装置。新型トヨタ『クラウン』では全モデルに標準装備されるほど一般的なシステムとなり、今後はさらに設定車種の拡大が図られていくと思われる。では、今後の『ESC』はどのように進化していくのであろうか。
ボッシュオートモーティブシステム、シャシーシステム事業部の西村裕氏は「今後のESCのあり方としては、大量生産によるコストダウンと多機能化が求められてくると思います」と述べる。
「コストダウンに関してはクラウンのように標準装備車や、オプションでの設定車種も増えてくることで大量生産が可能となり、実現可能だと信じています。多機能化については、ブレーキとアクセルをコントロールするESCと、各種のレーダーなどを組み合わせることで、渋滞時の自動追従装置などにも応用ができるのではないかと考えております」と語る。
確かにアクセルやブレーキのバイワイヤ(電子制御)化が進めば、『ESC』のシステムを利用することで、低速での自動追従装置への応用も実現可能な内容に思えてくる。
この秋の登場が予定されている日産『セドリック』、『グロリア』にも、これに似たシステムの搭載が、すでに発表されている。ESCが一般的に普及することで、自動追従運転装置のような、高度交通システム発達の架け橋にもなるようだ。