『ist』(イスト)にTRDのボルトオンターボを装着したコンプリートカー『イストTRDターボ』。そのパワーを体感できるのは、ターボの特性上やはり3000rpm付近から上の領域となっている。
高速道路の合流やなどの時に必要な加速性能は、標準車よりも格段に鋭くなっているが、日常の使用状況ではそのポテンシャルを発揮する機会は少ない。ただし積極的に低いギアを選んで走れば、常にターボが効く領域でスポーティな走行ができる。
そして逆に普段の使い方では、ターボをあまり効かせることなく走れば、燃費の悪化を防ぐことができるのだ。TRDのデモカーの実測値では10・15モード燃費は、リッターあたり14.5kmとノーマルの16.4kmに比べ思いのほか影響は少ない。
また、コンプリートカーに組み込まれている、TRDのサスペンションもスポーツ走行時にはロールを抑え安定感は高い。それでいて一般道の走行中は、大きな段差を越える時には硬さを感じるときもあるが、通常の路面であれば乗り心地も悪くはない。
『イストTRDターボ』は走りを楽しみたいときには、ターボのパワーを存分に利用して、スポーティな走りを実現し、普段は普通のコンパクトカーとして誰でも気軽に乗りこなすことができるという、うれしい二面性を兼ね備えたクルマだ。