最近のカーナビはDVDやハードディスク(HDD)など、大容量化されたメディアの採用によって、膨大なデータベースを内部に抱えるようになった。これに通信機能が加わり、さらに増えた情報をどのように裁いていくかが今後の開発テーマとなる。
ユーザーのリクエストに従い、情報の種類を吟味して提供する「エージェント機能」はその最有力とみられているが、それをさらに進化させたものをゼンリン、ケンウッドが出品している。
両社とも3D-CGキャラクター作成を手がけるiNAGO(イナゴ)という会社が提供したエージェントを画面右側に配置している。ゼンリンはリアルなタッチのサツキ・メイ・リンというキャラクターを。ケンウッドはEllie(エリィ)という、多少デフォルメされたキャラクターを使っているが、このキャラクターを通して行うことはほぼ同じだ。
例えば「サツキ、おなかが減った」とユーザーが話せば、エージェントが飲食店の情報を検索。「この店はどう?」と答えてくれる。あくまでも自然に、人間を相手しているのと同様に会話できるのがポイント。さらに望めばデータベースから引っ張った詳細情報の読み上げも行ってくれる。
会場説明員によると、何も表示されない画面に話しかけるよりは、特定のキャラクターを設定し、そのキャラクターに話しかけるという方がエージェント機能は使いやすいという。将来的には自分の好みのキャラクターをダウンロードして使えるようにすることが目標とのこと。
キャラクターに話しかけるという行為については賛否両論あるだろうが、運転に支障を与えにくい音声操作をメインにするという意味では今後これが主流になっていくことは間違いないだろう。