南仏コートダジュールのニースにある「EDスクエア」でデザインされた『アベンシス』。トヨタの欧州デザイン拠点として『ヴィッツ』もこのスタジオから生み出されている。ユーロピアンスタイルを感じさせるその理由は、骨格のデザインに隠されていた。
実車を見るとカタマリ感と存在感に驚かされる。「まずこのクルマは骨格からして違います。ボディの四隅に大径タイヤを配し、張りのあるアンダーボディとビッグキャビンで大地への踏ん張り感を出しています。ヨーロッパ人は日本人よりも骨格にシビアなんです」と語るのはデザイン本部第1トヨタデザイン部の河津雅彦部長。
「コーナーでのオーバーハングを短く取り、特にフロントは強くしぼり込まれています。1760mmという全幅ですが、単に大きく作るのではなく、平面のしぼりを使って面とカタマリを強く意識させるデザインとしました」と続ける。
「ワゴンはオーソドックスながら永続性のある飽きのこないスタイルです。セダンのカタマリの強さを、キャビンやフェンダーのしぼりによるボリューム感で出しました。Cピラーの力強さを見ていただけると思います」と河津氏。欧州からのデザイン新風が、日本にも吹き荒れる。