28日午前、東京都八王子市でブレーキランプが不点灯の状態で走っている不審なクルマを発見した警察官がドライバーに対して職務質問を行おうとしたところ、このクルマが急発進し、警官をボンネットに乗せたまま十数メートル走行。警官は振り落とされた際、別のクレーン車との間に挟まれる形となり、肋骨などを折る重傷を負った。
警視庁・捜査一課、同・八王子署、同・第9方面自動車警ら隊の調べによると、事件が起きたのは28日の午前11時30分ごろだという。第9方面自動車警ら隊の警察官2人が八王子市横川町付近で交通取締りを実施していたところ、ブレーキランプが不点灯の状態で走っていたクルマを発見した。警察官はこのクルマに対して停止を命じたが、クルマはそれを無視するようにスピードを上げて逃走したため、ただちにこのクルマの追走を開始した。
パトカーは発見場所から北に2kmほど離れた八王子市中野町付近で追いつき、36歳の巡査長がクルマのボンネットに半身を乗り上げる形でフロントガラスを破壊しようとした。ところがクルマは巡査長を乗せたまま急発進。そのまま数十メートル走り、今度は急ブレーキを掛けて巡査長を振り落とした。
巡査長は停止したクルマの前に止まっていたクレーン車との間に挟まれ、肋骨を折る重傷を負ったが、なおも逃走しようとするクルマの姿を確認し、上空に向けて拳銃2発を威嚇発砲した。
クルマはそのまま走り去ったが、500mほど離れた路上で看板の支柱に激突して大破し、走行不能になっているところを発見されている。しかし、運転していたとみられる25〜30歳の男の姿がないことから、警察ではクルマを捨てて現場から走って逃げたものとみている。
警察官1人が重傷を負ったことから、警察では悪質な公務執行妨害事件と断定。殺人未遂と公務執行妨害の容疑で逃走した男の行方を追っている。