山形県警は5日、15歳の少年による無免許運転の事実を隠蔽するため、事故の相手方となった20歳の男に対し、「自分が運転していたことにしてほしい」と頼んでいた19歳の女を犯人隠避、詐欺未遂の容疑で4日までに書類送検していたことを明らかにした。
また、無免許運転をしていた少年を道路交通法違反(無免許運転)と犯人隠避教唆容疑で。女が運転していたという嘘に同意し、警察の取調べにおいてもそのように供述していた相手車の男も犯人隠避容疑でそれぞれ送検されている。
山形県警・交通捜査課、同・山形署の調べによると、問題の事故が起きたのは今年6月19日の午前2時ごろだという。山形市大野目3丁目付近の県道で、15歳の少年が運転する軽自動車と、20歳の男が運転する乗用車が出会い頭に衝突した。
双方の車体の一部が損傷する軽微な物損事故だったが、運転していたのが15歳の少年だったことから、同乗していた19歳の女が相手方の男に対して「今のままでは保険が下りなくなる。私が運転していたことにしてください」と頼み込んだ。
男も修理費が出ないと困るため女の申し出を了承。警察に対しては女が運転していたことにして事情聴取を受けた。
だが、男は後日、山形署を訪れて「実は無免許の少年が運転していた」と申告。その後の調べでこれが事実とわかったため、関係者3人をそれぞれ書類送検することになった。
女については虚偽の事故報告を行って保険金を請求しようとした詐欺と犯人隠避、少年は無免許運転と犯人隠避教唆、求めに応じて虚偽の報告を警察官に行った男は犯人隠避の容疑。
警察では「相手方が口裏合わせに了承することは珍しい」としており、申し出を了承した経緯についてはさらに調べを進めるという。