アウディの往年の名車を復活させる部署のアウディ・トラディションが、65年前の名車『ストリームライン・スペシャル』を蘇らせた。同車は、アウディの前身の一つであるアウト・ユニオンによって製造された。アルミのボディにフェルディナンド・ポルシェ設計の2リットル、6気筒のエンジンを搭載。70馬力で、最大速度は160km/hに達する。
同車は、ベルギーのリエージュからイタリアのローマを往復する、総走行距離4700kmのLiege-Rome-Liegeレースに出場したマシン。1938と1939年に出場し、2回目のレースで、チーム賞を受賞した。アルプス山脈を越える過酷なレースで、平均時速は50kmを維持、燃料補給以外には休まずに、100時間以上連続して運転することもあった。
レース後に、同車は人手に渡ったというが、その後の消息は不明という。同車の復元は、アウディ・トラディションが復元を委託したドイツのベルナー・ツィンケ社によって行われた。同社は、自動車の復元を専門に行う会社で、主に写真をもとにして、2年かけて復元した。
今回復元された3台のうち、2台はアウディ・トラディションが所有し、ドイツにある博物館で展示される予定。もう1台は、ベルギーにあるアウディの販売代理店が所有する。