市場においてアメリカ車の最後の砦となっているピックアップトラック市場だが、このところ日本メーカー製ピックアップの健闘が目立つ。SUVやミニバンのように、ピックアップでも次第に日本製品の優位性が市場を席巻する、との予測もある。
そんな中、GM副会長、ボブ・ラッツ氏が「日本車はここ数年アメリカのトラック部門に挑戦しているが、ビッグ3にとって変わるような成功をおさめることはない」と強気の発言。もし日本車が最大シェアを獲得するとしても、それは小型ピックアップにとどまるだろう、と語った。
ラッツ氏が理由として挙げたのは、1970年代に日本車がアメリカ市場に参入した時、アメリカ人はビッグ3の作るクルマにうんざりしていた、という風潮がある。しかし現在アメリカ車の品質は向上し、特にピックアップ部門においてアメリカ製品に不満を抱くユーザーは少ない、ということ。
それどころか、ラッツ氏によるとピックアップの牙城を明け渡さないだけではなく、乗用車部門でも今後ビッグ3は日本車に対して巻き返しを見せる、とも予言している。
新型の日産『タイタン』やトヨタ『タンドラ』などのピックアップが市場に投入される今秋以降、ラッツ氏の予言通りに事が運ぶのかどうか、業界は注目している。