G-BOOKサービスの本格化に伴いラインナップされたライン装着のDVDナビ、ディーラー装着のHDDナビは、これまでのG-BOOK対応ナビの欠点だった操作性の悪さを改善。タッチパネルのレスポンス性能もかなり向上している。CPUなどハード面の改善はもちろんだが、OSを含めたソフト面が今モデルでは一新されている。
「ライン装着のDVDナビ、ディーラー装着のHDDナビともに、今回はOSにMicro-ITRONを採用しています。ITRON上で動くG-BOOKアプリケーションの開発には手間取りましたが、Windows CE for Automotiveを採用したカードナビとほぼ同じ機能を持ちます」と説明するのは、車両技術本部・第1電子技術部の渡辺寛・第1グループ長。
「ほぼ同じ機能」としたのは、Windows CE for Automotiveが持つMIDIファイルおよびAACファイル再生能力がITRONナビには無いから。G-BOOKコンテンツのうち「AUTO LIVE」と呼ばれていたBGMやカラオケなどのサービスが受けられなくなっている。DVDナビやHDDナビにはCDプレーヤーも内蔵されているため、車内のエンターテイメント性が損なわれることはないが、音楽コンテンツをダウンロードして楽しむということはできなくなった。
渡辺グループ長は「Windows CE for AutomotiveをOSとして使うものでは、WiLL『サイファ』に搭載していたカードナビと同等のものをディーラー装着ナビとして販売していきます。ライン装着ナビとしてはMicro-ITRONを採用していますが、今後どちらのOSを主力にしていくのかは現段階ではお答えできません。開発メーカーの事情もありますし、双方が出てくる状態になるのではないでしょうか」と語っている。
昨年の段階ではWindows CE for Automotiveを採用したこと自体がニュースになっていたが、今年のモデルではITRONに回帰した。カーナビメーカーとしては開発の主軸をWindows Automotiveに移していくとも言われているが、来年以降のG-BOOK端末はどちらのOSを採用するのだろうか。