愛知県警は29日、名古屋鉄道の路線バス運転手が1年4カ月間も無免許運転を続けた問題で、この運転手の無免許運転を隠蔽するために国土交通省・中部運輸局に対して虚偽の報告書を提出したとして、法人としての名古屋鉄道を道路交通法違反(無免許運転の下命)と道路運送法違反(虚偽報告)の容疑で書類送検したことを明らかにした。
愛知県警交通指導課、同・岡崎署の調べによると、今年2月19日に路線バスの無免許運転事実が発覚した際、会社は運転手に対して「終点で代替バスと合流した時点で運転を中止しろ」と乗務を続けるように命じたが、中部運輸局に提出した報告書では「無免許は営業所に戻ってきてから発覚した」と記載。運行管理者らが無免許運転を容認し、さらに続けるように命令していたという事実を隠蔽した疑いが持たれている。
警察では「運転手の無免許が発覚した後も運転を継続させ、それを後に隠蔽しようとした部分が会社の責任にあたる」と判断。法人の名古屋鉄道に対しても道交法と道路運送法を適用することを決めた。
同社による一連の無免許運転問題は峠を越した形となったが、個々の責任追及については今後も続けられていく。