警視庁は3日、クルマの前に立ちはだかる男性をはね、約45mをひきずって意識不明の重傷を負わせたとして29歳の男を殺人未遂の現行犯で逮捕したことを明らかにした。クルマの割り込みを巡り、トラブルになったことが発端とみられている。
警視庁・代々木署の調べによると、事件が起きたのは3日の午前0時50分ごろだという。東京都新宿区新宿3丁目付近の国道20号線(通称:甲州街道)・JR新宿駅新南口付近で、29歳の男が運転するクルマの前方に別のワゴン車が割り込んだ。
ワゴン車の走っていた車線は工事のために前方で規制されており、これが原因で男のクルマの前に入ろうとしたのだが、その進入が強引だったことに男は腹を立て、その後1.5kmあまりを追跡した。
渋谷区代々木4丁目付近で、このワゴン車が信号待ちのために停車した際、男は自分のクルマから降りて前方のワゴン車に駆け寄り、「俺の前に割り込んでいるんじゃねぇよ」などと叫びながらリアバンパー付近を数度蹴った。
この様子に気づいたワゴン車の運転手ら4人が車外に飛び出てくると男は自分のクルマに戻って急発進。35歳の男性をはねて下敷きにしたまま、左折して路地に逃げ込み、さらに45mあまりを走った。男性は後輪で頭を踏まれて意識不明の重体。他の2人も急発進したクルマを避けようとした際、足に軽いケガを負った。
警察では男を殺人未遂の現行犯で逮捕し、取り調べを進めているが「クルマを蹴ったら中から4人出てきた。怖くなったのでクルマを走らせて逃げようとした」と供述しているようだ。また「人をひいたのは何となくわかった」としており、それにも関わらず逃走を続けようとしたことで未必の殺意が成立するとしている。