6月30日午後、静岡県裾野市内の宅配便配送センターで仕分け中の荷物が爆発し、作業中のアルバイト男性が負傷するという事故が起きた。静岡県警が荷物を調べたところ、箱の中には多数の銃弾が収められており、警察では荷物の送り主である32歳の男を火薬類取締法違反(不法所持)の疑いで逮捕した。
また、この男の供述に基づき、同時に発送された銃弾入りの荷物を確保するため、東名高速を走る配送トラックを停止させ、閉鎖して一般車を締め出したパーキングエリア内で自衛隊が処理を行うなどの事態となった。
静岡県警・沼津署の調べによると、発端となる事件は6月30日の午後6時5分ごろに発生した。裾野市今里にあるヤマト運輸新静岡主管支店で、20歳のアルバイト男性が荷物の仕分け作業を行っていたところ、段ボール箱のひとつが突然爆発。中から飛び出てきた破片などで顔や足に軽傷を負った。
警察が爆発した箱を検証したところ、中には軍事用の銃弾とみられる金属物が多数詰められていた。伝票の控えから富士市に住む32歳の男が発送したものとわかり、この男を薬類取締法違反(不法所持)の疑いで逮捕して取り調べを行ったところ、自衛隊の東富士演習場などで拾った不発弾をオークションで販売していたことが判明。
同日中に宅配便で11箱を発送し、爆発したのはこのうちの1箱であることもわかった。不明となっていた10箱のうち8箱までは支店内で発見されたが、2箱はトラックに搭載され、東名高速を移動していることも判明した。
警察では「爆発の危険性がある」として、東名高速道路を走行中だった配送用のトラックに停止を命令。神奈川県中井町の東名高速下り線側の中井パーキングエリアを閉鎖して一般車両を締め出した上、静岡、神奈川の両県警と陸上自衛隊が合同でトラックの積荷を調べ、2箱の中に40mmグレネードランチャー(榴弾砲)の銃弾などが入っていることを確認した。銃弾は自衛隊が押収し、不発処理などを行うとしている。
男はいわゆるミリタリーマニアで、以前からインターネットのオークションで不発弾の売買をしていたとみられ、自宅倉庫からは多数の銃弾が発見されている。警察では不発弾の入手経路や、これまでに販売した人物などの捜査を行い、弾丸の回収を行っていく方針だ。