警視庁は26日、ロシア人の女性デュオ「t.A.T.u.」(タトゥー)の所属レコード会社が申請していた屋外ロケの申請を却下していたことを明らかにした。レコード会社は「日本らしい場所」として銀座と秋葉原の歩行者天国を希望していたが、この却下によってゲリラ撮影を行う可能性も浮上。警察では大混乱になる恐れがあるとして神経を尖らせている。
警視庁によると、申請はレコード会社が代理で行っていたが、通常は1年前から1カ月前の範囲に行う道路使用許可申請を実施1週間前になって打診。候補として掲げたのは付近の交通に大混乱を与えかねない場所だった。警察が難色を示したため、レコード会社側は「銀座と秋葉原の歩行者天国ではどうか?」としたが、警察はこれも拒否。行き先が無くなった。
会社側は東京タワーに近い増上寺にも打診したが、増上寺は「レコード会社からの説明が不足しており、大混乱を起こす可能性があるのは知らされていない」としてやはり拒否。タトゥー側が求める「誰が見ても日本とわかる場所」を考えた場合、渋谷、新宿、台場なども候補に上がるが、警察では「こうした場所で突然ロケが行われた場合、大パニックになる恐れがある」と警戒している。
警視庁ではロケが行われるという29日には東京の各所に警察官を予め配置しておき、混乱を最小限に抑える作戦を取るが、ロケ地が単独でなく、複数だった場合には警察の対応が後手に回ることも考えられる。当日都内を走る予定のあるドライバーは突発的な渋滞や通行止めにも注意した方がいいだろう。