クルマではなくて“歩行者”ですよ---シニアカーの事故、過去最悪更新

警視庁は24日、高齢者用の電動車いす(シニアカー)を利用している際、何らかの交通事故に巻き込まれて死傷した人の数が昨年は206人となり、過去最悪だったことを明らかにした。統計を開始した1990年と比較した場合には6倍に増えているという。

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警視庁は24日、高齢者用の電動車いす(シニアカー)を利用している際、何らかの交通事故に巻き込まれて死傷した人の数が昨年は206人となり、過去最悪だったことを明らかにした。前年比より4人増えたが、統計を開始した1990年と比較した場合、その数は6倍に増えているという。

これは全国の警察本部から集めたデータを基に警察庁がまとめたもの。シニアカーを利用中、何らかの交通事故に巻き込まれて死傷した人は昨年1年間で206人に達し、過去最悪だった前年(2001年)を4人上回って記録を更新した。死傷者の内訳は死亡が8人、重軽傷者198人となった。死亡した人は全員が65歳以上の高齢者で、重軽傷者でも135人(全体の68.2%)は高齢者だった。

事故自体は209件発生しており、形態として最も多かったのは道路を横断中の事故。これが全体の54.9%を占め、死者3人と重軽傷者110人を記録している。次に多いのは車道を走行中に自動車と接触するというもので、後方から追突するケース(死者2人、重軽傷者20人)、前方から衝突するケース(死者1人、重軽傷者16人)ともにあった。

シニアカーは現在年間3万台程度が販売されているが、道路交通法では歩行者に該当する。しかし、利用する高齢者はクルマや原付バイクの感覚で利用しており、本来は車道走行が許されていないにも関わらず、クルマと車線を並走していることも珍しくない。

また、大きさの割には動きが俊敏で、ドライバーが次の挙動を予測できないという点も事故に直結していることが目立つとしている。横断歩道で起きた事故理由の大半を占めるのが実はそれで、高齢者の側からしてみると「早く動けるから大丈夫、こんな大きなものが見えていないから大丈夫」という考えに陥りやすく、ドライバー側の考えとは深い溝が生じているという。

警察では販売店に「購入者には歩行者と同じ扱いであることを徹底し、交通ルールを遵守するように指導すること」を要請しているが、必ず行わなくてはならないという義務ではなく、指導を怠った際の罰則規定もない。このため、指導が行われないまま販売されるケースもあり、歩行者と同様の扱いであることを全く知らなかったという被害者も少なからず存在した。

警察では引き続き指導の徹底を販売店に求めていくとしているが、使う側の認識が甘いままでは事故が減ることは無いだろう。電動スクーター/スケーターなどと共に、このあたりの法整備が必要な時代になってきたということではなかろうか。
《石田真一》

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