「何が悪いことか」を教えるには刑事罰では不適当---偽証少女が再び家裁へ

道路交通法違反(無免許運転)に問われた交際中の男から頼まれ、この男が離婚した元妻になりすまし、法廷で証言を行ったとして偽証の罪に問われた19歳の女に対し、福岡地裁は15日、事件を家庭裁判所に移送して再審議する決定を言い渡した。

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道路交通法違反(無免許運転)に問われた交際中の男から頼まれ、この男が離婚した元妻になりすまし、法廷で証言を行ったとして偽証の罪に問われた19歳の女に対し、福岡地裁は15日、事件を家庭裁判所に移送して再審判する決定を言い渡した。裁判官が「刑事罰より保護処分が適当」と判断したためだという。

この女は道交法違反(無免許運転)で起訴されていた交際中の男から強く頼まれ、離婚した元妻として法廷で振舞うように依頼され、11月13日に行われた公判の際に「今は真面目に働いている」、「離婚はしたが娘と3人で同居を続けている」、「私が責任持って被告を監督する」などと、元妻の名前を騙って証言。男はこの証言によって実刑判決を免れ、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

しかし、突然の元妻登場に不審感を抱いた検察側が調べたところ、法廷で証言を行ったのは元妻ではなく、公判が行われていた時点で被告の男と交際中だった別の女と判明した。このため、検察は女を偽証容疑で逮捕し、男は女に対して偽証を依頼したことが明らかになって偽証教唆容疑で逮捕。執行猶予も取り消され、懲役10カ月が命じられている。

女は家庭裁判所で審判を受けたが、家裁は「偽証は司法制度への挑戦であり、刑事処分が相当」として検察官送致が決定。福岡地裁に偽証罪で起訴され、懲役1年以上1年6カ月未満の不定期刑が求刑されていた。

15日の判決で福岡地裁の一木泰造裁判官は「司法制度そのものを揺るがす悪質な犯行だが、何が悪いことなのかを判断できないという本人の未熟さが犯罪行為を肯定している。こうした場合には刑事罰を命じるより、保護処分を実施して適切な教育を受けさせることがより効果的だ」として、家裁に移送して審判を再度行うという決定を言い渡した。
《石田真一》

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