警視庁と北海道警は1日、2000年4月に北海道札幌市内で3人に重軽傷を負わせる交通事故を起こしながら逃走し、指名手配されていた28歳の男を業務上過失傷害と道路交通法違反(無免許運転、ひき逃げ)、警視庁警察官の職務を妨害した公務執行妨害の各容疑で逮捕したことを明らかにした。
警視庁・新宿署の調べによると、この男は1日未明、東京都新宿区内の路上で不審な行動をしているところを警察官が発見。職務質問しようとしたところ、警察官の足を蹴って逃走しようとしたため、公務執行妨害の現行犯で逮捕した。
男は新宿署に連行されたが、名前などを話そうとしないため指紋を採取して調べたところ、2000年4月に北海道で3人が重軽傷を負う交通事故を起こし、そのまま現場から逃走したことで全国に指名手配をされている男と判明。同日の午後、北海道から駆けつけた北海道警の捜査員に引き渡され、業務上過失傷害と道交法違反(無免許運転、ひき逃げ)の容疑で逮捕された。
北海道警・高速隊の調べによると、男は2000年4月16日の午前10時40分ごろ、札幌市白石区内の道央自動車道・札幌ジャンクション付近を走行していた際、前方で警察による検問が行われていることを発見。無免許運転の発覚を恐れ、その場でUターンして逃走しようとした。クルマは高速道路上を一時逆走する形となり、当時61歳の男性が運転するクルマと正面衝突し、このクルマに乗っていた2人に重傷のケガをさせたほか、自分のクルマに同乗していた男性にも軽傷を負わせた。男は事故後、現場から走って逃走し、そのまま行方を消していた。
まもなく事件から3年目を迎えるというタイミングでの逮捕となったが、警視庁では「悪質な交通事故を起こして逃走中の指名手配犯だとは思わなかった」とコメントしている。