『HDX730D』のメニュー画面には大きめのアイコンが並び、いかにもタッチパネルでの操作を意識したかのような作りなのだが、兄弟機の『youナビ』(CN-HDX300)と同様、今回もタッチパネルの採用は見送られている。
その理由についてパナソニック・オートモーティブシステムズ(松下電器産業社内カンパニー)・商品企画チームの西浦敬二主事は「モニターを見やすくするための角度調整を優先したということが第一ですが、弊社としてはリモコン操作でこそハードディスク(HDD)ナビの利点が活かせると判断しました」と説明する。ダイレクトに操作できるリモコンは、タッチパネルよりも手数が少なく、反応が速いHDDに向いているというのだ。
HDX730Dはモニターの起立位置をモーターによって5段階に調整でき、左右の調整も手動によって各15度まで行える。タッチパネルの場合、特に左右調整との両立が難しく、これが採用見送りの一因となった。起立位置はモーター駆動ということもあり、ギアが噛みこんで指でモニターを押しても抵抗感がある。しかし、左右調整に関してはノッチ(刻み)を付けているだけなので、指押しによる荷重が掛かると容易に動いてしまうからだ。
タッチパネルの採用こそ見送られたが、リモコンによる操作感に不自由はない。立体表示時のスクロール速度も早く、200MHzのCPUを内蔵したウルトラ1チップの実力を垣間見る瞬間でもある。リモコンをスライドすると50音検索などに使えるテンキーが現れる。携帯電話と同様の入力方法(例えば“ね”なら、5のボタンを4回押し)で、携帯メールに慣れている人ならば高速入力が可能だろう。ただしキーには数字の表示しかないので、「ナ行はどの番号だったかな……」とナビモニタ側を確認する必要がある。このあたりは次期モデルで改善を望みたい。キー表面のデザインがパナソニック製の携帯電話と同じならばより快適だろう。