一時金の満額回答が固まっているトヨタ自動車は、焦点の「成果配分」(組合員平均年6万円)についても、5日までに満額の方向となった。組合側が臨時的な今年限りの要求であることを明確にしたことで、経営側も譲歩することになった。一時金と同等の扱いとなる。
トヨタは、今年度の業績が過去最高となるものの、組合側は「国際競争力の維持」にも配慮する形で、ベースアップ要求は見送っていた。その一方で、過去最高の一時金(5.0カ月プラス55万円=約237万円)と、前例のない「成果配分」を要求した。
経営側は、「成果配分」が慣例となって実質ベアとなることを強く警戒。だが、その位置付けが臨時の措置で、賃金水準そのものを上昇させることにならないと判断し、社員の働きに報いることになった。トヨタの交渉は、これで事実上決着したが、定昇相当分を含む同社の満額回答は、難航するホンダの一時金交渉にも影響を与えそうだ。