フォードがIT予算を20%削減---契約技術者をカット

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フォードでは25日、IT関連予算を20%、およそ3億ドル(約350億円)削減することを明らかにした。過去2年赤字に悩まされている同社のリストラの一環だ。予算削減内容の大部分は、IT技術者との契約の解除にあてられる。

アメリカではIT産業が隆盛だった時代の名残りで、多くのIT技術者が給与ではなく個人的な契約を企業と結ぶ傾向があり、人件費が高騰していた。しかしIT不況が言われて久しく、多くの企業ではこうした雇用の形態を見直しつつある。

例えばフォードの最大のパーツ供給メーカーであるビステオンでも、先週IBMと10年間の契約を交わし、IT関連の仕事をまとめて依託する、と発表した。これにより2800人の契約IT技術者が職を失い、代わりにIBMが同様の技術を提供することとなった。

フォードでもIT技術者の雇用コストの見直しを2年前から計画していた。一時、フォードの6000人のIT技術者のわずか3割が給与所得者で、残りは契約ワーカー、と言われ、人件費がIT予算の3分の2を占めていたが、「ルネッサンス計画」と呼ばれるリストラ策でこの割合を逆転させる準備が進められていたのだ。

GMでは1996年以来すでに9億ドルのITコスト削減に成功している。これはIT技術部門のEDSを売却して独立会社とし、IT関連の仕事をアウトソースすることで達成された。フォードでも同様の業務依託システムを9月までに立ち上げ、総額で90億ドルのコストカット計画の実現に向けて一歩を踏み出す。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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