西日本鉄道(西鉄バス)は19日、初乗り区間の通学用1カ月定期券相当額で福岡都市圏(8市15町)全域で同社の一般路線バスを乗り放題で使える通学定期券を3月下旬から発売することを明らかにした。バス利用者の減少に歯止めをかけるためだが、長距離利用者からは歓迎されそうだ。
この定期券は『エコルカード』という名称で呼ばれる。フランス語で“学校”を示す「エコール」、自然環境にやさしい公共交通機関の利用促進を図るという意味の「エコロジー」、割安感があるという意味の「エコノミー」などを語源としている。福岡市を中心とした8市4郡(15町)の西鉄一般路線バス合計106路線を全て利用することができる。利用距離にも制限が無く、高校生以上なら1カ月6000円、3カ月1万7000円(中学生以下はそれぞれ半額)で利用できる。これは現在の初乗り区間の通学定期券5760円に相当する金額で、長距離利用者にとっては大幅な値引きとなる。
購入の際には在学証明書と顔写真1枚が必要だが、これは降車する際に運転手へ顔写真の入った専用パスケースを見せ、本人であることの認証とするため。高速バス、特急バス、定期観光バスには乗車できないが、深夜バスの利用は片道区間分の追加料金を支払うのみで利用できる。
週休二日制の導入で減少傾向にあるバス利用を促進するためのものだが、価格の安い定期券を導入することで、ここ数年目立つ通学定期券の不正利用を防止する狙いも……。