「戻りましょう」---ひき逃げタクシー、乗客の説得で現場に戻り、運転手が逮捕

自動車 社会 社会

19日、岐阜県岐南町で路上に寝ていた男性がクルマにはねられて死亡するという事故が起きた。容疑車両とみられるタクシーは一時現場から立ち去っていたが、乗客の粘り強い説得によって運転手が現場に戻り、逮捕されるという珍事があった。

岐阜県警・羽島署の調べによると、問題の事故が起きたのは19日の午前2時ごろだという。岐阜県岐南町上印食の町道で、近くに住む21歳のトラック運転手が泥酔状態のために路上で寝込んでいたところ、現場を通りがかったクルマにはねられた。

男性をはねたクルマはタクシーで、事故直後そのまま現場から走り去っていたが、事故から15分後、現場に戻ってきた。通報を受けて駆けつけた羽島署員が事故を起こしたタクシー運転手を道路交通法違反(ひき逃げ)と、業務上過失致死の疑いで緊急逮捕している。はねられた男性は病院に収容されたが、脳挫傷が原因でほぼ即死状態だったことが確認された。

警察の調べに対し、逮捕された運転手は「人をはねたらしい、というのはすぐにわかった」と供述。怖くなって現場から逃走したが、乗客の29歳男性から「今、人をはねましたよね?」と尋ねられた。その後、この男性が「ひき逃げの方が罪が重くなる、現場に戻った方が良い」、「発見が遅れて、ひかれた人が大変なことになったらどうするんですか?」などと10分に渡って諭され、「現場に戻ることを決意した」と供述しているという。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース