警視庁は29日、東京少年鑑別所に収容されているメンバーを激励するため、周辺で暴走行為を繰り返していたとして、埼玉県和光市周辺を拠点に活動する暴走族9グループのメンバーと、暴走を指示した26歳のOBら24人を道路交通法違反(共同危険行為)容疑で逮捕したことを明らかにした。
警察の調べによると、このグループは窃盗で逮捕されて練馬区の東京鑑別所に収容されたメンバーを激励すると称し、今年4月6日深夜から翌7日未明に掛けて埼玉県和光市から東京都豊島区まで国道254号線で暴走行為を行ったという。この際、4車線全てを十数台のバイクを蛇行させながら埋め尽くしたほか、赤信号の交差点へ強引に進入して、通行してきたタクシーと接触事故を起こしそうになるなど、傍若無人な行動を繰り返した。
この日の暴走は26歳OBの指示によるもので、本人は後方を走るクルマに乗りながら、携帯電話などで現役のリーダーに直接命令をしていたとみられている。
東京鑑別所周辺では、昨年の夏ごろから収容されている仲間を激励する目的で暴走を繰り返すというトラブルが相次ぎ、他地域から越境して訪れたことを「他のグループの襲撃」と勘違いした地元のグループとのトラブルも発生しているという。このため、警察では週末の深夜に鑑別所周辺にパトカーを配置するなど、予防策に乗り出しているが、今ひとつ実効性が上がっていないのが現状だ。