今秋、登場するG-BOOK専用端末は今までのカーナビゲーションシステム(カーナビ)にない特長を持っている。それはセンターとの情報のやりとりなど、データ通信を行う通信機器を内蔵している事だ。G-BOOK端末はハンズフリーフォンを使う目的以外では、携帯電話を接続する必要がないのだ。
G-BOOKが内蔵する専用通信モジュールは「DCM」と呼ばれる。これは携帯電話会社auの第3世代携帯電話「CDMA2000 1x」のデータ通信専用ユニットで、そのスピードは最大144Kbps。走行中はこの最大速度がそのまま出るワケではないが、「実効速度でも70〜80Kbpsはでる。ISDNやPHSよりは速い」(e-TOYOTA部企画・総括室G-BOOKグループ長の藤原靖久氏)という。
またDCMはパケット通信モードを使うために、接続までの時間が短くて、走行中に電波が一瞬とぎれてもデーター送受信そのものが中止される事がない。
G-BOOKのライバルである日産自動車の「カーウイングス」やこれまでのトヨタ「モネ」が、9.6Kbpsのダイアルアップ接続しか使えず、携帯電話をいちいち繋がなければならない事を考えると、G-BOOK端末の通信機能は性能と使い勝手の両面で優れている。
なお、auの「CDMA2000 1x」は来春、実効速度で数百Kbpsを実現する新規格「CDMA2000 1xEV-DO」を導入する。今年登場するG-BOOKのDCMユニットはこの新規格に対応しないが、将来登場するG-BOOK端末に(CDMA2000 1xEV-DOを)搭載する可能性はあるそうだ。