今回発表された『ヴォルツ』のインテリアでチーフデザイナーを務めたトヨタ自動車・第2開発センター・第2デザイン部グループ長の駒田一彦さんによると、「インテリアはオンとオフがテーマ。運転を楽しむ前席と、ユーティリティの後席でテイストを分け、生活の中のコントラストを表現している」という。
「前席には、お金をかけています」と駒田チーフデザイナー。「フロントはいわば“オン”のエリア。一週間のうち平日、ちょっとおしゃれをしてクルマに乗り込むような場面を想定して、金属調塗装やメッキを施した装飾部品を多く使い、キラキラしたイメージをもたせています」
金属加飾が少しくどい印象を受けるが、「トヨタ社内ではそのような意見もありましたが、GM側はもう少し強くしてもいいのではないかという人もあり、結局はアメリカ的な印象に落ち着きました」と駒田チーフ。
「一方後席は主にウィークエンド使うオフの空間。少しカジュアルな服装で乗るように、樹脂パーツを前面に出しています。ラゲッジスペースから続くシートバックの樹脂もそのひとつ。後席シートを倒すと座面が沈み込み、フルフラットな空間になるのも売りのひとつです」と語る。
駒田さんは1989年から93年までヨーロッパのEPOC(現EDスクエア)で先行開発を、日本に戻り『シエナ』を担当、現行『エスティマ』ではインテリアのチーフデザイナーを務めた。