警視庁は11日、新結成した暴走族の特攻服代を稼ぐため、援助交際を装って呼び出した男性を金属バットで殴るなどして脅し、現金3万2000円を奪い取ったとして、調布市を拠点とする暴走族メンバー11人と、協力した少女2人を強盗や強盗傷害の疑いで逮捕したことを明らかにした。また、このグループの後見人となっている暴力団準構成員の男を強盗傷害容疑で指名手配している。
警察の調べによると、このグループのメンバーは特攻服のししゅう代金60万円を強盗で稼ごうと計画。16歳と17歳の少女2人に依頼し、携帯電話の出会い系サイトに援助交際を持ちかける内容の投稿を行った。そして、これに応じた26歳男性の男性を今年3月14日の未明、川崎市多摩区登戸の多摩川河川敷に呼び出した。
男性がこの少女と会った直後、暴走族のメンバーがこれを襲撃し、男性を金属バットで殴るなどの暴行を加え、「金を出さないと殺す」などと脅し、持っていた現金3万2000円を奪った。さらに警察への通報を遅らせるために携帯電話を破壊し、服を奪って逃走したという。
しかし、男性は警察に届け出を行い、サイトへの投稿ログから少女2人をまず摘発。供述によって暴走族メンバー11人も特定し、11日までに全員を強盗および強盗傷害の容疑で逮捕している。
取調べに対し、逮捕された少女やメンバーらは他人への責任転嫁を繰り返すとともに、「上(暴力団員)の指示で現金を集める必要があった」と供述したため、このグループの後見人としてグループへ上納金の支払いを要求していた25歳の暴力団準構成員を強盗容疑で全国に指名手配した。警察では逮捕された少年、少女らに反省している様子が全く見られないことから、今後も準構成員の逃走先などを厳しく追及するとともに、容疑が確定した段階で暴力団の事務所の家宅捜索も行う方針。